プロモーション戦略


タッチ・ポイント

 顧客はたとえ満足していても、企業の意図にそぐわない経験をしているかもしれない。Kosuge and Shiu (2019) は、自動車ディーラーの本部と46店舗の関係性の比較により、優れた顧客経験を生み出すために、タッチ・ポイントに関する決定権限がどのように配分されるべきかを検討した。全般的にタッチ・ポイントの決定権限は本部から店舗へシフトしていたが、顧客経験が優れる2店舗では、ブランド・プロモーション系タッチ・ポイントに関する決定権限の行使は実質的に本部が行なっていた。さらにこの2店舗は、対人系タッチ・ポイントを、本部が構築したブランド・プロモーション系タッチ・ポイントへ適応させていた。つまり、タッチ・ポイントに関する決定権限を、その権限行使のために不可欠な知識を持つ主体が行使しながら、ブランドの観点からタッチ・ポイント間の一貫性を達成することが重要だと考えられる。


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