近年オンラインのブラック・マーケットや匿名の仮想通貨が学術研究の対象となりダーク・ウェブもある程度の知名度を獲得した。しかし似た文脈で、ディープ・ウェブ、ダーク・ネットのような意味の異なる用語も使われるために、ダーク・ウェブを巡る議論は混乱しがちである。そこで、Hatta (2020)は、これらの概念の違いを歴史的経緯も含めてわかりやすく整理した上で、ダーク・ウェブで用いられるオニオン・ルーティングと呼ばれる技術を説明する。