顕示性の強い商品であるブランド品が、クチコミによって強い影響を受けることが既存研究から明らかになっている。しかし、相反するバンドワゴン効果とスノッブ効果は、既存研究では現れる条件が明らかにされておらず、仮に同時に働くのであれば相殺しあって無意味になる。そこで、Kuwashima (2016)は、免税店で売られているブランド品を対象にして、友人知人からなるパーソナルネットワークと所有商品の調査を行った。社会ネットワーク分析の結果、多数の同じアイテムを所有している人は、(a) 直接結合(cohesion)関係にないことが分かり、(b) 構造同値(structural equivalence)関係にあることが分かった。すなわち、消費者ネットワークの特性のうち、(a) 直接結合はスノッブ効果、(b) 構造同値はバンドワゴン効果が働く条件であることが分かった。