品質不正


燃費不正

 1970年代のオイルショック、1990年代以降の環境問題、さらに日本政府の経済的施策が燃費競争を加速し、燃費性能が重要な競争指標になった。ところが、燃費を計測する技術者からすれば、燃費は (i) 曖昧でかつ種々の要因で変動する不安定な指標で、しかも、(ii) 安全性に影響しないリコール対象外の品質だった。そこに燃費競争圧力がかかったために、燃費計測は現場で恣意的となり、やがてそれが常態化して、2016年以降、組織的な不正行為として、日本の自動車業界で次々と発覚していった(Aizawa, 2020)。


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