エフェクチュエーション(紡ぎ出し)


アクセラレーション・プログラム

 Sarasvathy (2008)のエフェクチュエーション動学的モデルは熟達した起業家を対象に理論構築された。では駆け出しの起業家にはどのようなモデルが当てはまるのか。そこでHamamatsu and Fujita (2021)は、コオロギを生物資源として事業化した駆け出しの起業家の事例研究を行なった。すると、起業に興味はあるものの、すぐに行動を起こすことができず、何をすべきか悩んでいる駆け出しの起業家は、複数のビジネス企画コンテスト等のアクセラレーション・プログラム(acceleration program)に次々と参加することで、エフェクチュエーション・プロセスを実行できていた。その際、アクセラレーション・プログラムには、(1)所与の手段からのゴール設定を支援し、(2)社会ネットワークを使わせることで相互作用を促進し、(3)信用を付与することでコミットメントを得やすくする3つの機能があった。


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