急成長する中国の大型商用車市場では、「生産規模が年1万台を超えなければ生き残れない」法則がいわれてきた。しかし日系メーカーの広汽日野と慶鈴汽車は、生産規模が1万台に満たないながらも中国市場で利益を出し続けている。これは、少量生産でも一定水準の生産性を保てる日本的生産システムのおかげだが、この日系商用車メーカー2社は、中国の実情に合った多能工育成方法を発展させたことで、その日本的生産システムを機能させることに成功した(Wang & Suh, 2021)。