全体最適


全体最適

 近年、全体最適(total optimization)を目指す技術開発やサプライチェーン・マネジメント、DX等の取り組みが行われているが、Fukuzawa (2021)は、全体最適や部分最適の用語が、日本企業でどのような文脈で使われてきたのか、新聞記事の言及頻度と傾向に基づき分析している。全体最適は1980年代後半から紙面に現れ始め、その解決策SCM, BPR, ICT等と一緒に長年論じられてきた。実は、全体最適が注目され続けてきたことは、公式組織が成立してないことを示唆している。横断的組織連携のようなコミュニケーション促進や情報技術の導入・活用への焦点化が進んだ一方で、そもそも何のための最適化であるのかには十分に焦点が当てられておらず、依然として公式組織の成立要件は十分に満たされていない。


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