Takahashi (2014)によれば、特許の値段の幅は、経営学的な四つの側面:
Nakano (2020)は、第二次世界大戦後の日本の電機産業の製品開発を、ライセンス・コストの削減戦略の視点から捉え直す。日本の電機メーカーは、戦後直後は、海外からの技術導入によって自社の技術を高めていった。しかし、製品をできるだけ安価にする方策を模索する中で、ライセンス生産にはライセンス・コストの限界があった。そこで多くの日本の電機メーカーは、自社開発した特許を元にしたクロスライセンスで相殺してライセンス・コストを抑えるようになった。さらにライセンス・コストを抑えるには、自前のライセンスで製品を造るしかなく、各電機メーカーは中央研究所を設立し、1990年代初頭まで自前主義が幅を利かすが、実は、これは歴史的には特異な行動だった。